本記事は、以下の記事の翻訳です:
How To Quit Your Job by Emma Wedekind
* 執筆者に許諾を頂いた上で掲載しています。
前置き:
私は、今の仕事を辞めようと考えているわけではありません。
さらに詳しく述べますと、私はアメリカにいた時に職を辞したのですが、これはその経験談です。
ロジスティクスの中には、アメリカにかなり特有と言えるものも含まれているかもしれません。
そのように感じられるものについては、あなたのロケーションに適切な作法を、信頼できる同僚や友だち、あるいはメンターに相談してもらえたらと思います。
2018 年の 2 月のことでした。
私は IBM を退職しました。
理由はいくつかありました。
その結果として、決意するに至った次第です。
しかし、それを段取り良く宣告しようと取り組む中で、私は混乱した状態に陥っていました。
私には、それ以前に退職した経験はありませんでした。
大学を卒業してすぐに IBM に就職しました。
そしてそこから 3 年を過ごして、キャリアの基礎を築きました。
その後に、私は、退職をしただけではありませんでした。
持っていたものをすべて売り、それから世界を半周して、テキサス州オースティンからドイツのカールスルーエへと移住したのです。
言わずもがなかもしれませんが、私は切り抜けるのに労力を要する状況にいました。
私たちは、段取り良く職を辞するためのストラテジーについて、議論することはありません。
それはなぜなのでしょうか?
退職することに否定的なイメージがついて回ることについて、私はついぞ共感を持つことはしませんでした。
それは、ほぼすべての被雇用者が、どこかで一度あるいは複数回にわたって、身に付ける必要のあるスキルです。
辞めるという言葉には否定的なひびきがあります。
しかしながら、仕事を辞めるのにはさまざまな理由がありますが、実際のところ、そのすべてが悪いものであるわけではありません。
ここでは、私が仕事を辞めた経験をお話して、さらには、その過程で得た気付きをお伝えします。
あなたが以前の雇用者と良好な関係を持続するのに、それらが役立ってくれればと思います。
仕事を辞める理由
告知を行う方法について研究する前に、今の職務を辞そうと考える理由にはどのようなものがあるのかについて、見てみましょう。
事業の転向
あなたの現在の職務は、この先 5 年、10 年、15 年とやって行く姿が、あなた自身で思い描け無いものであるかもしれません。
同じ事業にとどまっているのであれば、それが変わることは、きっと無いでしょう!
事業を転向することは、キャリア形成の上で、経験の幅を大きく広げてくれます。
IBM において、私は量子コンピューティングの仕事をしていました。
それはすばらしいものでした!
物理学の勉強に着手して、そこでコンピューター科学の学科の知識を応用しました。
そしてそこから LogMeIn の仕事に転じて、オンライン・ミーティング事業に取り組みました。
異なる事業の知識を得ようとすることは、今の仕事を辞める立派な理由になります。
あなたの情熱が別のところにある状況でしたら、とりわけそうです。
ワーク・ライフ・バランス
あなたの今の職務は、健康的なライフスタイルを維持するために必要なワーク・ライフ・バランスを、与えてくれるものでは無いのかもしれません。
総体的な幸福を実現する上でメンタル・ヘルスは非常に重要な位置を占めますが、私たちは往々にしてそのことを忘れてしまいます。
もしも今あなたが、家族や友だちと過ごす時間や、あるいは一日めいっぱい働いた後にほっとするための時間を、持てていないとすれば、早晩、燃え尽きてしまう可能性があります。
会社とのあつれき
私たちは、辞めることを考える時、それを会社とのいさかいのためだとすることがあります。
これは、実際にそうである場合もありますが、必ずしも真実であるとは限りません。
もしもあなたが会社や、彼らが掲げている使命や、そこの文化との間に、決して折り合えないであろう違和感を感じているのでしたら、退職することは最善の選択肢です。
転居・移住
これが、私が IBM を去った直接の理由です。
私はドイツへ移住したかったのです。
不運なことに、仕事を続けることはできませんでした。
だから私には辞める以外の選択肢がありませんでした。
ここで声を大にして言いますが、私の考えでは、いかなる仕事よりも、あなたと、あなたの家族に、常に、重きを置くべきです。
私には、仕事を続けることを目的に、移住して夫と再会するのを先延ばしにするつもりは、まったくありませんでした。
なぜなら人生はとても短いのですから。
もしもあなたが、引越しをすることと仕事を続けることとの間で、板挟みになっているのでしたら、私はいつでも、ご自身を第一に置いて考えることを、おすすめします。
キャリア・アップの停滞
キャリア・アップが無きに等しいような、不幸な状況にいる場合もあるかもしれません。
私が見て来た中では、これは大企業の中で比較的起こりやすいことだと言えます。
昇進するのが実際問題として難しいことがあるためです。
このような場合には、別の道を探したくなるでしょう。
会社を変えることは、往々にして最速の道になります。
あなたのキャリアが一定の高みに到達しているのでしたら、より高い地位を得ることにつなげられるでしょう。
人生における転機
人生に関わる仕事のオファーを受けた場合は、引き受けましょう。
マネージャーの感情を損ねることを気にして断るべきでは決してありません。
良いマネージャーであれば、必ず、あなたにとって最も良い道を、親身になって考えてくれるはずです。
仕事の辞め方
それではいよいよ困難を伴う実際の問題に取り組んで行きましょう。
仕事の辞め方について、です。
いくつかの観点から考えてみましょう。
辞めるどれくらい前に告知を行うべきか?
私がドイツでの仕事のオファーを受けたのは 2017 年の 11 月でした。
しかし実際に働き始めるのは 2018 年の 3 月以降の予定でした。
どの程度の連絡を行っておくべきか、さっぱりわかりませんでした。
IBM の年輩のマネージャーが、私にすばらしい助言をしてくれました:
「トゥー・ウィークス・ノーティス(2 週間前告知)で十分だし、それが標準だよ。良い去り方をしたいのならば、3 週間前もしくは 4 週間前に行うと良いだろう。」
今の私の実感では、3 週間や 4 週間前の告知というのは、万人にとって実用的なものではありません。
具体的に言うと、ビザ取得のために現在の地位が必要な人や、あるいは生活の保証を失うことが心配な人は、よしておいた方が良いでしょう。
私は、自分のチームの人とマネージャーに対して、礼儀を尽くすために 2 週間よりも前に告知することにしました。
私のマネージャーが私を 4 週間も待たずに追い出したかもしれないのでは、ですって?
はい、そのようになるケースもあるでしょう。
しかし私たちはずっと良い関係でいたために、彼女は私がしようとしていたことを理解してくれました。
私は 2 週間余裕のあるスケジュールで告知を行うことで、チームが私の仕事の引継ぎを行うのを手助けし、それによって誠意を尽くそうとしていたのです。
いつ辞去の告知を行うかは、ただあなただけが決められることです。
それが最低限の期間であっても、あるいは少し長いものであったとしても、以前の雇用者と良好な関係を維持することは可能です。
どのように対話を始めるべきか?
マネージャーと一対一形式の面談を約束することが重要です。
気を散らす話題や他の人は混じえないようにしましょう。
面談の始め方の一例を示します。
「こんにちは、マネージャー。私は自分の人生に関わる仕事のオファーを受けました。この機会をみすみす逃すことは、私にはできません。ですので X 週間前告知を正式に行わせてください。私は、あなたと会社が私にしてくれたあらゆることに、感謝しています。実際、こちらで本当に楽しい時間を過ごしました。私たちの関係が今後も続くことを、私は願っています。」
もちろん、これは一例に過ぎません。
しかし、マネージャーに感謝の気持ちを表すことで、ぴりぴりしたものとは反対の空気をつくり出すことができるでしょう。
この時点で、あなたのマネージャーは、あなたが辞めずに済む方法は無いものかと、たずねてくるかもしれません。
この提案を受け入れるかどうかは、あなた次第です。
あなたの退職する理由が判断の基準になるでしょう。
それでも退職の決意が断固として変わらないのでしたら、気持ちをそのまま強く持っていてください。
なぜ辞める道を選択したのかを思い出して、その話題はおしまいにしてしまいましょう。
(それが、あなたが本当に望むことであれば、ですよ。)
良い関係を持続させるためにできることは、他にもあります。
あなたの代わりになる人に研修を実施すること、もしくはそのような人を探すことです。
IBM を去る前に、私は面接と候補者の絞り込みを手伝いました。
さらにそのような人たちが早く現場に溶け込めるようにと、研修ガイドを作成しました。
このようなことを追加で行えば、雇用者にあなたの前向きな印象を残して去ることができるでしょう。
仕事を確保しておく必要はあるのか?
これは完全に価値観にまつわる問題です。
私は仕事を確保してから去ることを選びました。
なぜならドイツに住んで働くためにはビザが必要だったからです。
オファーを受けない状態で仕事を辞める人もいます。
どうするかを決めるのは、ひとえにあなたと家族とあなたの経済状況です。
1 ヶ月ないし 2 ヶ月の間、給料無しでもやって行けますか?
これは重要な問題ですので、(もしも可能でしたら)仕事を辞める前に家族としっかり話し合いましょう。
チームの人たちに対してどのように言うか?
私はチームメンバーには個人的に伝えることにしました。
しかしあなたにとってそれが気乗りすることでは無いのでしたら、マネージャーに進め方を相談しましょう。
きっとマネージャーが、チームに対してメールを送ってくれるか、あるいは公の場で伝えてくれるでしょう。
チームメンバーに対して「いないがごとき」振る舞いをしないことが大切です。
もしも挨拶をせずに急に退職してしまうと、彼らはあなたに対して良い印象を残さないでしょう。
つながりを続けたいと思うのでしたら、LinkedIn、XING、もしくは何かのソーシャル・メディアでつながってくれるように、チームメンバーにお願いしておきましょう。
次のことをこころに留めていてください。
辞めるということは、突き詰めれば、自分自身の決断です。
申し訳無いなどと思うべきではありません。
あなたはあなた自身のために最善の決断をくだそうとしているのです。
その理由が何であろうとも関係がありません。
そして恥じることは何も無いのです。
お読み頂きどうもありがとうございました。
本記事は、以下の記事の翻訳です:
How To Quit Your Job by Emma Wedekind
To Emma: Thank you so much for your kind permission for me to translate your article.